「耕平君、裕也君はあのフリスビーじゃ本来の力を出せないのよ」

「え…沙梨奈?」

「そうでしょ、裕也君?」

「あ、ああ……」

確かに、沙梨奈のいうことは当たっている。だけど何で沙梨奈は、そのことを知ってるんだろう。

「沙梨奈ん、どういうこと?」












「裕也君、左利きでしょ?」


「え?そうだったっけ」」

美咲が首を傾げる。

「まぁ、普段そんなに気にしないことだし……」

「ダメダメ、私が裕也のこと全部知ってなくちゃ!!」

美咲は少し膨れっ面だ。
しかし、俺の脳を何かが刺激していた。

左利き……。

待てよ?左利き……。

思い出せ……。二週間前から今までの皆との出会いを……。

渚は、痴漢だったな。
美咲は、席が隣だった。
耕平は、電車で……。
沙梨奈、大地は耕平がきっかけだったな…。

そういえばあの時は……。そうだ。それなら…もし、そうだとすれば!

だけど、まだだ。まだ足りない。くそ、後少しなのに……。