俺のすぐ隣には、君が歩いている。昨日までの俺では考えられない光景だった。

「うーん、アルティメットって面白いね!」

「まだルール分かんないだろ?」

「あ、裕也君、私のこと馬鹿にしてるな?ちゃんと覚えたもん!」

半信半疑だった俺は、いくつか問題を出してみた。すると、君は、特に考えるまでもなくスラスラ答えた。

「凄いな!」

「でしょ?じゃあ、私からも問題。何で私はアルティメット部のマネージャーになったでしょー?」

それは、俺がちょうど聞きたかったことだ。

「目当ての先輩がいたから?」

「ちがうよ…」

「じゃあ、アルティメットに興味を持ったから」

「裕也くん、全然ダメだね」

やれやれとばかりに、ためいきをつく君。

「もう降参だよ」

「答えは…」

すると、君は俺の耳に口を近づけて来た。俺は思わず跳びはねた。

「答えは、かっこいい裕也くんを見ていたかったから。でした」

「え…?」

「好きだよ、裕也くん」

突然の君からの告白。
夢だと思った。都合のいい夢だと思ってたんだ。

「ちょっと!返事は?」

「え…あ、好きです」

反射的に俺は言ってしまった。

「好きですって…何で敬語なの?」

君は俺を小突きながら笑っていたね。俺は君を抱きしめた。

「わ…」

「莢未、好き…」

「…私もだよ?」

その帰り道…。君と初めて手を繋いだ。その感触を俺は今でも覚えてる。