「裕也様、聖藍高校が見えましたよ。そろそろ準備をして下さい」

「あ、はい」

執事さんの言葉通りすぐに車は聖藍高校前に着いた。

俺は執事さんに御礼を言って聖藍高校の門を今、くぐろうとしていた。

「…裕也様」

俺は思わず足を止める。

「これからも、渚様と友達でいてくれますか?」

「…もちろんですよ」

どうして、そんな当たり前のことを聞くのだろうか?

「……裕也様。実を申しますと渚様は、お命を狙われているのです」

「え……?」

「渚様のお父様は、政界ではかなりの著名人であり、その分敵が多いのです。ですから、渚様はいつも狙われているのです」

渚も可哀相だな……。
そんなことで命を狙われるなんて……。

「……それでも俺は、渚と友達でいますよ」

「裕也様…ありがとうございます…」

執事さんは、俺に深々と頭を下げ、車へと戻っていった。

色々あったけど…
これから俺の高校生活は始まるんだ…。

俺は少し大きめに、聖藍高校への一歩を踏み込出した。