「陽菜、美咲…?
お前ら何してんだ?」

二人は仲良く何かの雑誌を読んでいる。相当の修羅場を覚悟していた俺は思わず呆気に取られた。

まあ、仲良くしてる分には全く問題はない。だけど、俺の部屋にある雑誌に、二人の興味を引く雑誌なんてあったか?

首を傾げている俺に、美咲が頬を染めながらおずおずと聞いて来た。

「あ…あの…裕也?私にもこんなことしたいの?」

「……ひぇーっ!!」

俺は慌てて、縛られている女が表紙の雑誌を美咲から奪い取る。

美咲が顔を真っ赤にして俺に見せて来たのは…俺が隠していた、いわゆるちょっとHな本だ。

「ホント、最低な男。死ねばいいのに」

陽菜は、汚いものを見るような目で俺を見る。さっきの『死ねばいいのに』は俺に対して言っていたのか……。

「いや…これは…そのぉ」

今、俺が戦うには非常に分が悪い。二対一になってしまうからだ。俺はこの話題が終わるのをただただ耐えるしかなかった。しかし、願いとは反対に、美咲はどんどん陽菜に追求していく。