「ひどい…！」

「だから言ったでしょ？死ねばいいのに…」

「私は…」

ドア越しに二人の会話を聞く限り、穏便に話は進んでいないようだ。
陽菜が『死ねばいい』とか言うなんて……。

陽菜の気持ちも分からなくはない。莢未は、陽菜を庇って車にひかれた。

だから陽菜は、ずっと自分を責めていた。美咲に冷たくするのも、嫌われようと必死なんだろう。

『嫌われれば、私を庇って死ぬなんてない』

昨日、俺が問い詰めたら陽菜が話してくれた“美咲を嫌う理由”。

「もう帰れば？ほら、この写真見てみなよ」

「陽菜ちゃん…じゃあ裕也が私と付き合ったのは…」

って、考え込んでる場合ではない。美咲が陽菜に言いたい放題言われている。

「陽菜…言い過ぎだぞ！」

俺は思いきり、自分の部屋を開けた。しかし、目に入って来たのは意外な光景だった。