「…美咲。もし…万が一お前の目が見えなくなっても、俺がお前の目になる。だから……泣くな」

美咲は首を縦に降って涙を拭う。そして、無理矢理に笑顔を作った。

「…お前に光が入らなくなっても、俺が星になってお前を照らしてやる…だから…」

「…ぷっ。結構裕也ってクサイこと言うんだね」

美咲は微かに震えてる。
笑いを噛み殺しているのだろうか。

「そんなに可笑しいかよ…」

「ばぁか。嬉しいんだよ」

美咲は、目をつむる。
星見ヶ丘…。たぶん世界で一番星に近い場所。
たくさんの星達に見守られながら、俺達は初めてキスを交わした。

「ん……」

離した後も唇に残る、微かな美咲の温もり。

今なら言える。
素直になれる。

「美咲、好きだ」

「…あのさ。そーいうのは普通キスする前に言うんじゃないかな?」

「あ…」

言われてみれば、確かにそうかもしれない。クスクスと笑ってる美咲を見て、俺は少し落ち込む。

「私も好きだよ」

今が夜で良かった…。
俺達、きっと、顔が真っ赤なんだろうな。

想いが通じ合った俺らがした…二回目のキスは、少し永いものだった。

空には、今にも消えそうな流れ星が流れていた。