俺は、何か細かいことに囚われていたのかもしれない。いくら、莢未が好きだったとしても、俺が今好きなのは美咲だ。

あの入学式の日…に俺に優しく笑いかけて来てくれた美咲。
遅刻しないようにモーニングコールをして来てくれた美咲。
渚の冗談ですぐに顔が赤くなる美咲。

全部好きだ。だけどそれ以上に…俺を優しく受け入れてくれる瞳に…。












君の瞳に恋をしたんだ。

「大地、俺、行かなきゃ」

「そんなのいいから早く行け。女を待たせるな」

俺はコクリと頷く。
もう揺るがない。
俺が好きなのは…美咲。

お前だけだ。

「裕也行くんなら、ハンバーガー貰っていいか?」

「…好きにしろよ」

マイペースな耕平。
冷静で頼もしい大地。
俺は本当に良い友達に恵まれたな。心の中で大地と耕平に礼を言う。

美咲、今行くからな。