「あのな陽菜。頼みがあるんだけどな…」

「嫌だ」

「ちょ…少しは聞いてくれたって!」

「人に頼みがある時は、それ相応の品を見せてもらわないと…ね?」

こいつは、あの事故からこうだった。俺が頼み事をすると陽菜は必ず見返りを求める。ちなみに俺の最高記録はブランド物の財布を陽菜に献上したことだ。その頼み事は…恥ずかしくてここでは言えないことだ。

「…何が欲しいんだ?」

「まあ何をやるかによるね」

「アルティメット」

「…選手?コーチ?」

「選手だ」

「じゃあ…あれ。
ネックレスがいい」

淡々と紡がれていく陽菜の言葉に、俺の額からは汗が滴り落ちる。ネックレスだと…?

「何でアルティメットでネックレスあげなきゃいけないんだよ」

「別にいいんだよ。
だけど私がいないとアルティメット出来ないんでしょ?」

ぐっ…そう来たか。兄の足元を見るなんて、何て冷血な妹だろうか。しばらく、火花が散るような睨み合いが続いていた。

しかし、確かに陽菜がいないとアルティメットの試合が成立しない。陽菜の能力。風を読む力は必要になる。

「……分かったよ」

「やった!!これで彼氏とデート行けるよ!」

まあ、これで一様メンバーは揃ったな…。

三年経験の俺。
風を読める陽菜。
野球部の耕平。
サッカー部の大地。
お嬢様の渚。
スポーツオタク、美咲。
クラスNo.1美少女 沙梨奈。

…何だか先が思いやられるな。大丈夫なのかな?