だいたい学校始まったばかりだから汚れてないだろ…。掃いても掃いても埃一つ舞わなかった。俺が、掃除をやめようと思った時だった。

コツン。俺が動かしていたホウキに何か光るものに当たった。

「何だこれ…?」

掬い上げてみると、それは星をかたどったペンダントだった…。

これは…!

『…星と月ってさ。こうやって見ると、近いけどホントは…凄く離れてるよね?』

ズキン。頭に、今まで体感したことのない痛みが走る。…まさか。そんなことがない。

だって あいつは……。

『ゆーちゃん、私がゆーちゃんを見守る星になるから、ゆーちゃんは私を照らす月になって?』

やめろ…。

俺は星のペンダントを床に叩き付けたかった。
だけど…出来なかったんだ。

このペンダントは…。

『裕也、大好き』

「止めろって言ってんだ!」

思わず俺は叫ぶ。もう…あいつは…莢未(サヤミ)は死んだんだ…。もう…。

全身の力が抜けていく。
そのまま…俺の意識は深い深い闇へと堕ちていった。