俺が電車に乗ると、昨日と同じ場所に渚がいた。

「裕也ん。おはよう。ちゃんと起きれたんだ?」

「まあな…」

「どう?可愛い子からのモーニングコールはいいもんでしょ?」

そうか…。さっきの俺の疑問が解けた。

「渚か…教えたのは?」

俺の質問に、渚は首を縦に動かした。

「うん、可愛い子に起こしてもらった方が裕也んも目覚めが良いでしょ?」

「男なら誰だってそうだっての…」

「美咲はレベル高いからね。裕也んも落とすなら本腰入れないと!」

渚の言葉に俺は一瞬思考が停止した。今、こいつ何言った?

「…落とすって?」

「え?裕也んは美咲のこと好きなんでしょ?」

…何で知ってんだよ。一番知られたくなかった奴に知られてしまった…。

図星な為に、俺は反論が出来なかった。黙りこくった俺を見て、渚はゲラゲラ笑う。

「あはは!顔真っ赤!」

「う…うるさいっ!」

気がつけば、俺達の周りから人が少なくなっていた。…ご迷惑をかけてすいません。俺は心の中で百回は土下座した。