「美咲……!!良かった、無事で!!」

「………莢未?どうして?」

「どうしてじゃないよ!!美咲に伝えたいことがあって……星見ヶ丘に来て、あちこち捜し回ったら、川のほとりで、美咲の髪飾りが落ちてて…。私、私……水に落ちて……美咲が死んじゃったのかと……」

「……ごめん」

私はまだ分かってなかったんだ。私が死ぬことで、また私の大切な人達を悲しみに染めちゃうことを……。

「……それで莢未、私に伝えたいことって?」

「あ、うん……。あのね。ゆーちゃんが言ってたの。美咲に見せる最後の景色。美咲を彩るのは俺達だって……」

莢未は私に何を伝えたいんだろう……?

「私は、紫。大地君は、青、耕平君は、黒、陽菜は赤、私は黄、沙梨奈は緑、で、美咲。あなたはピンク」

「私が、ピンク?」

「可愛いからだって。ホントに殴りそうになったよ。イチャイチャすんなって」

私はそれが凄く裕也らしくて、何だか笑ってしまった。

「それでね、ゆーちゃんは何色なのって聞いたらね。『俺は俺さ』って言ったんだよ。馬鹿だよね。心が読めた私に隠し事何て無駄だったのに……」

「そ、それで裕也は…」





「……俺はもう美咲色に染まってるんだって」

「……!」

「私、だから呟いちゃったよ。馬鹿みたいって」

私は、莢未を抱きしめて泣いた。だけど今までの涙とは違った。

「愛されてたんだね?」

「……愛されてました」

裕也、私幸せだった。だから、私、生きる。

もう、こんな馬鹿な真似しない。

「莢未、私、生きる。私は二人分の命背負ってるからさ」

「……わかればいいんだよ」

「……ねぇ、莢未。私、行きたいとこあるんだ」