「き……」

「さきちゃん…」

「美咲!!」

私は、皆の声に起こされるように、瞳を開いた。

「……見える」

私がそう呟くと、皆はいっせいに私に抱き着いて来た。

「良かった…!成功したんだね!!」

渚が一番強く抱きしめてくれる。

「……今、私は奇跡を見ています。移植した目がいきなり機能するはずはありません…」

お医者さんはそう言いながらも、優しく微笑んでくれた。

「……裕也」

私はそこで初めて裕也を見た。色んな機械を使って、一生懸命に生きている裕也……。私はそんな裕也に優しく語りかける。

「裕也、ありがとう。あなたの目で、私はまた光を取り戻したよ?」

「じゃあ、美咲が起きたから……そろそろお願いします」

お母さんがペコリと頭を下げると、お医者さんは辛辣そうに俯いた。

「……なに?何が始まるの?」

私は皆を見回す。そして私は理解してしまった。今から起こることを…。

「皆、ちょっと待ってよ!やっぱり、まだ…まだ分からないじゃない!裕也が目を醒ますかもしれないじゃん!」

「美咲、ありがとう。ありがとうね……」

お母さんは私を抱きしめる。