「俺、邪魔じゃないかな?ホントは二人で来る予定だったんでしょ?」

女二人の楽しい買い物にこんな男が邪魔していいのか?どうも俺は、居てはいけない気がした。

「あー平気だよ?裕也ん呼んでって言ったの、美咲だから」

「え…?」

俺は思わず自分の耳を疑った。

「渚を痴漢から助けてくれたんでしょ?私からも御礼言いたくてさ!」

そう言った榎本さんと、ぱっちり目が合うけど、俺は恥ずかしくてすぐに逸らしてしまう。

「裕也ん?どうしたの?」

「な、何でもない!」

「変な裕也ん…」

渚に、榎本さんが好きなことがばれたら厄介なことになる。きっと、あの手この手で脅迫してくるに違いない。ここは隠し通すの一手に限るだろう。

「あ、裕也ん。ここのデパートが私と美咲のいきつけだからさ!」

そう言って、意気揚々とデパート内に入っていく渚。俺は榎本さんの方をちらりと見る。

うん、やっぱり可愛いな。どうやら、完全に一目惚れしちゃったみたいだ…。