暗い……。暗いよ……。
目を開けても、何も見えない。閉じてるのと何一つ変わらない。

そっか、私の光は、完全に消えてちゃったんだ……。

「美咲、美咲!!良かった……目を醒ましたよ!」

渚の声が聞こえた。

「……ねぇ渚、私」

「……美咲の目は光を失っちゃった。 だけど大丈夫。美咲は、生きてる。私達が、美咲を支えていける」

あの時、目に激痛が走って、その場に倒れ込んじゃったんだっけ……。

「……裕也は?」

「裕也君なら大丈夫だよ」

気のせいかな?莢未の声が微かに震えていた。

「ホントに……?」

すると、誰かが私の腕を持って私の手に、懐かしい温もりを触れさせた。

「…裕也」

「…美咲ちゃん、ほら裕也だろ?」

「……何で、何も喋ってくれないの?」

一番、聞きたいのは愛しいあなたの声。すると、病室からは啜り泣くような声が聞こえて来た。

「みんな…もうこれ以上は…」

「何で……。なんでお兄ちゃんがこんな目に遭わないといけないの!?うわぁぁぁん!」

「陽菜ちゃん、落ち着いて!」

陽菜、なんで泣いてるの?まさか、悪い冗談だよね?

「渚、やっぱりこれは言わないといけない問題じゃないのか?隠していてもいずれは露見する」

無表情の大地君の声も震えていた。病院にも関わらず、私は大きな声をあげた。

「ねぇみんな!!何を隠してるの?見えてないからって、そういうのは辞めて!裕也は、裕也はどうなったの!?」

私が怒鳴ると、病室は静まり返ってしまった。その沈黙が、辛かった。