「……お取り込みの所悪いけど、明日この別荘使うことになったんだって……。だからイチャイチャしてないで早く荷物まとめて!」

渚はそれだけ早口でまくしたくて俺達の部屋から慌ただしく出ていった。

「……何か拍子抜けしちゃったね」

美咲がため息を着く。俺は美咲を再び抱き寄せる。

「じゃあ、早く済ませようか?」

「やだ。じっくり味わってよ…」

俺達は再び唇を合わせようとした。

「…だ、か、ら!!急いでって言ってるでしょ!バカップル!!」

渚が再び部屋を開けて催促して来たので、俺達は渋々、荷物をまとめた。

「なあ、美咲。楽しかったか?」

俺は不安だった。この別荘に来て、俺は美咲に何か残せたのだろうか?

「うん、最高の景色見られたよ?」

そう言う美咲の笑顔は最高だったので、やっぱり来て良かったなと思った俺がいた。

「そもそも私は裕也がいてくれれば、それが最高の景色だと思ってるよ?」
俺達は、渚が目を離した内に、短いキスをした。