さっきから、不気味な景色を私達に見せてくる山道コース。

だけどそれ以上に、黙り込んでいる大地も恐かった。

「ねぇ大地、私に聞きたいことって何?」

すると、大地はさっきまで固く結んでいた口を解いた。

「別に対したことじゃない。裕也と川瀬の関係だ」

「私と裕也ん……?」

一体、大地は何を言ってるの?

「いとこ……で間違いないか?」

そう言う大地の目は真剣そのもので、私は目を背けられない。

「…何で?何で知ってるの?」

「……ちょっと気になったからな。川瀬の父と裕也の母は血が繋がってるな」

大地の言う通りなの。神代家と川瀬家は結ばれているんだ。いとこがいるってのは知ってたけど、どんな人か見てみたかったから、私は電車通学にしたんだ。そして、電車の中で私と裕也んは出会った。

「でも何で…」

「よく裕也が陽菜にブランド物を貢いでたからな」

「嘘!それじゃ私と裕也んは結び付かないよ!」

さっきから、知的なはずの大地の説明はチグハグだった。私は、思いきり大地に詰め寄る。

「ねぇ、教えてよ!」

「……いいのか?後悔するぞ」

「はいはい、いいから早く言ってよ」

何でこうも勿体振るのかかが私には分からなかった。そして大地は大きく息を吸って、私をじっと見つめて言った。