今、俺と大地と耕平でポーカーをしている最中だ。女性陣がどこかに行ってしまった為に、かなりムサいポーカーとなってしまっている。

「裕也ー美咲ちゃんは?」

耕平がフラッシュの役を出す。

「知らねー。あいつ、飯食った途端にどっか行きやがって……」

俺は2ペアを出す。

「ま、何かを企んでるってのは分かるけどな」

淡々と大地はフルハウスを出し、俺と耕平の割り箸をさらっていく。

「てか、大地!お前強すぎ!」

さっきから大地の一人勝ちだ。大地の横には大量の割り箸の束がある。

「女にかまけてる裕也と耕平には負ける訳が無い」

「待て、俺が美咲にかまけてるってのは否定しない。だけど、耕平は……」

大地はため息をついた。そして、まるで、気がつかないのかと言いたげに俺を見てくる。

「裕也、俺言ったじゃねーかよ。沙梨奈ちゃんが好きだって」

「……聞いたけど」

俺は内心、少し面白くなかった。確かに外見は沙梨奈だが心は、俺の元カノの莢未だ。

「裕也、わりーけど、俺本気だから。裕也の元カノだろーと関係ない」

「…何でお前が?」

「男ってのは、好きな人について色々と知りたくなるんだよ」

そう言う耕平の顔は、いつものお茶らけた様子ではなく、真剣そのものだった。