飛行機の中で美咲は、昨日の疲れから俺にもたれながら眠っている。
「……目はどうなの?」
俺の左隣りに座っていた莢未が心配そうに美咲を見つめる。
「もう、いつ見えなくなってもおかしくないと思う」
「渚から聞いてたけど、こんなに病気が進んでるなんて……」
莢未は申し訳なさそうに目を伏せる。
「それでな、俺、決めた。お前のDVD見て、心が決まったよ」
「……見てくれたんだ」
莢未は笑った。だけどそれは、沙梨奈という新しい顔であって、昔の莢未の顔ではない。
「美咲が……気付いてくれたんだ」
「……じゃあ、美咲にありがとうって言っとかないと駄目だね?」
莢未がそう言った後、少しの沈黙が訪れた。きっと、考えてることは同じだろう。
「…美咲の目は、治らないの?」
俺は答える代わりに首を縦に振る。前に美咲に聞いたことがある。その話では、どんなことをしても、光を取り戻すことはないらしい。簡単な話、目が死んでしまうのだ。
「……目はどうなの?」
俺の左隣りに座っていた莢未が心配そうに美咲を見つめる。
「もう、いつ見えなくなってもおかしくないと思う」
「渚から聞いてたけど、こんなに病気が進んでるなんて……」
莢未は申し訳なさそうに目を伏せる。
「それでな、俺、決めた。お前のDVD見て、心が決まったよ」
「……見てくれたんだ」
莢未は笑った。だけどそれは、沙梨奈という新しい顔であって、昔の莢未の顔ではない。
「美咲が……気付いてくれたんだ」
「……じゃあ、美咲にありがとうって言っとかないと駄目だね?」
莢未がそう言った後、少しの沈黙が訪れた。きっと、考えてることは同じだろう。
「…美咲の目は、治らないの?」
俺は答える代わりに首を縦に振る。前に美咲に聞いたことがある。その話では、どんなことをしても、光を取り戻すことはないらしい。簡単な話、目が死んでしまうのだ。