……あのこと?

その時、頭に衝撃が走った気がする。そっか……分かった。俺が何をするべきなのか。何をしなくちゃいけないのか。

「ゆーちゃんなら、出来る。私にだって出来たもん。って……そろそろ時間が無くなって来ちゃったね……。じゃあ…」

「行くな…!まだ、お前に伝えてないこと…」

しかし、俺の叫びも虚しく画面はプツリと消えてしまった。

「俺も…お前のこと……大好きだったのに……」

「裕也……」

俺は無意識の内に美咲を抱きしめていた。自分でも何故か分からなかった。ただ、甘えたかったのかもしれない。自分の弱さを隠したかったのかもしれない。

「裕也……いいんだよ?私は、あなたに何されても。莢未さんの代わりでも構わない。あなたの横にいられれば……」

「美咲……」

この日、美咲と初めて結ばれた、四ヶ月記念日。失ってはいけない“繋がり”だった。

「……裕也、私の目が見えるうちに、いっぱいあなたを見せて?目に焼き付けたいの……」

目を抑えて、涙を流す美咲を見て、俺がどうすればいいのか答えが出た。俺が目一杯、美咲を支えればいい。

例え、それがどんな形だとしても。

俺は美咲を愛してる。

君の瞳を愛してる。

だからこそ。伝えなきゃいけないことがある。

ねぇ、美咲。
俺の声、聞こえてる?