「ふー…だいたいこんな感じかな?」

美咲が額に浮かぶ汗を拭いながら生まれ変わった俺の部屋を見回す。俺は、いつもと違う風景が広がる部屋に、どこかそわそわしていた。

「お兄ちゃん、飲み物!」

「あのな、ここは気を利かして陽菜が行くべきじゃないのか?」

そう陽菜に言いつつ俺は今日の美咲の服を見る。夏だからかもしれないが、いつもより肌の露出が多いように見える。これはひょっとすると……と考える俺がいる。

「は?部屋の掃除手伝ってくれって泣き付いたの誰よ?」

「それは…」

手痛いところを付いて来た陽菜に俺は一瞬たじろいだ。そこに、とどめの一言が入る。

「裕也、私、喉渇いたな」

「はい、ただいまお持ちになります」

美咲の一言に背中を押されるようにして俺は、自分の部屋を後にした。