屋上から見える空は、やっぱり何だか清々しい手を伸ばせば空に届いてしまいそうだ。

「で、沙梨奈。話ってなんだよ?」

「あ、うん。あのね?渚から話聞いてると思うけど……」

そう前置きして始めた莢未の話は、驚くべき話だった。

「べ……別荘!?」

簡単に言えば、渚が夏休みに皆で渚の別荘に遊びに来ないかと言っているらしい。

「渚の別荘?あそこいいとこだよねー!」

「あれ?美咲は行ったことあるの?」

莢未が意外そうに美咲を見る。

「私は毎年、渚に連れてってもらってたんだよ?」

「そうなんだ。じゃあ話は早いね。二人とも決定と」

そう呟くと莢未がノートに何やら書き始めた。

「ちょっ……俺まだ行くって言ってないぞ」

「裕也君は美咲が来れば来るでしょ?何たって渚の別荘は極上のリゾート地で、もちろん海…」

「行きます。是非、行かせてください」

俺の頭の中には、もう美咲の水着姿しか浮かばなかった。

美咲は美咲で、自分の体を見て「少し痩せなきゃ」とか言ってるし……。