俺は榎本さんの隣に座ることになったのだが、やっぱり緊張する。“一目惚れ”いや…“一瞳惚れ”と表現した方が正しいだろう。

その名の通り、瞳に惹かれてしまった。

「…神代君。何か私の顔に付いてるかな?」

「な…何でもないよ!」

俺は慌てて、榎本さんから目を逸らす。よく見たら綺麗な瞳だけじゃなくて、凄く可愛いじゃないか!

「…おい!神代!聞いてるか!」

「はひっ!?」

思わず変な声が、出てしまった。榎本さんのことばかり考えてたら、先生の話なんか全く聞いてなかった。

クラスの奴らはもちろん、榎本さんもクスクス笑っている。はぁ、初日から変な奴って思われたかな?

「…明日、部活紹介があるからな。それだけだ。以上、帰ってよし。後、神代は時間通りにちゃんと来ない場合は掃除だからな」

「え…?」

俺は反論しようとしたが、すでに担任の姿はなかった。何か、初日からツイてないことばっかりだな。

「あーあ…神代くんドンマイだね」」

…訂正。榎本さんと出会えたのは嬉しいことだ。

明日からの学校生活がすごく楽しみだ。