「何よその言葉…!じゃあ裕也は何か思い付くの?」

案の定、ムッとした様子で頬を膨らませる美咲。

「……SeaとSky?」

「何それ?」

「お前が海で、俺が空」」

俺はポケットから、小さい箱を出してそれを美咲に投げる。

「わっ…」

さすがは運動神経抜群の彼女だ。ブランコを漕ぎながらもキャッチしてくれた。

「何、これ?」

美咲は、ブランコを漕ぐ手を休めてその小さい箱を振ったりしている。

「開けてみて?」

「え…?あ、うん…」

美咲は箱を開ける。すると、美咲の顔が変わった。

「ゆ…裕也?これ…?」

「そっちがSeaっていうらしいから。で、俺のがSky」

俺は美咲に左手の薬指を見せる。俺の指には、暗闇の中でもはっきりと分かる、指輪がはまっている。

「私が、付けていいの?」

「美咲に、付けて欲しいんだよ」

俺がそう言うと、美咲はため息をついた。

「裕也って、完璧な彼氏だと思ってたけど違ったね。分かってないよこういうこと」

すると美咲は、ブランコからジャンプして降りる。そして、そのまま俺の目の前に立った。