俺が星見ヶ丘に着いたのは、美咲が指定した時間の三十分前だった…。さすがに早く出過ぎたか…。しかし、何でかな?

「あ、裕也!早いね?」

何で、君はいるのかな?それも…可愛い浴衣姿で。

「裕也と会えると思ったらいてもたってもいられなくてさ……」

「阿保か……」

俺が早く来なかったら30分は待ち遠しだったんだぞ?

「ねぇ、裕也。浴衣……どうかなぁ?」

「……可愛いよ」

「ホント?良かったぁ」

そう言って照れる美咲も可愛くて、俺まで照れてしまう。

「ほら、行くぞ!」

俺は照れ隠しの為に、美咲を連れて星見ヶ丘祭の会場に行こうとした。

「…裕也、場所分かるの?」

「あ…」

そんな俺を、美咲がクスクス笑う。

「ほら、行くよ?」

仕切直しといった所か、俺は、美咲の手に連れられて祭の会場に向かった。