「いつも格好つかない俺だけど、絶対一流になって稼ぐし、家事ももちろんするし、杏寿も子供も絶対に幸せにする。杏寿が笑ってくれるならなんでもする。だから、俺と結婚してください」
その言葉に涙が溢れた。幸せすぎて涙が出てくること、伊澄くんと出会ってから知った。きっとこれからもたくさん、幸せな涙を流せたらいいなぁって思う。
「はいっよろしくお願いします」
涙声で返事した途端、思いっきり強く伊澄くんに抱きしめられた。幸せを噛み締めるように、私も伊澄くんの背中に手を回せば、さらにぎゅっと力が込められたような気がする。
私の最初で最後の人。いつまで経っても、飽きることなく私は伊澄くんが好きなんだと思う。
2人で顔を見合わせて、どちらともなくキスをした。今までで一番、幸せなキスだった。
おまけ・完結
(余談)
「そう言えばなんで1回スタイリスト昇格試験落ちたの?」
「(プロポーズのこと考えてそわそわして試験どころじゃなかったなんて言えない)」