「えっそれ本当!?今日!?」


少し驚いたようにさっきまでよりボリュームの大きい声を出す真崎さんに、そんな驚くこと?と目をパチパチと瞬かせた。


「はい、今日の19時から」

「あーそっか。じゃあ髪かわいくセットしなくちゃね」

「はい、お願いします」


まあ合コンに気合い入れてるわけではないからいいんだけど、せっかくしてくれるって言うんだからお任せすることにする。


髪の長さを微調整していた真崎さんがよし、と顔を上げる。鏡を使って正面、斜め、後ろからの髪の出来上がりを見せてもらって「これで大丈夫かな?」という言葉に頷いた。


「あとはブローとセットだけど、せっかくだしそこは伊澄にやってもらおうかな」

「え?」

「ちゃんと合コンに行くから可愛くセットしてって言うんだよ」


謎に説得じみていた真崎さんの言葉によく意味がわからないまま頷く。


「また仕上がりは俺がちゃんと確認するから安心して。じゃあ俺は検討を祈ってるよ」という謎の言葉を残して、真崎さんは下がって行った。