「えっ!? くるみちゃんやばい!!」



見た瞬間、スズナちゃんはそう言って叫ぶ。



クラス中がこっちを見た。



そして集まってくる。



「くるみちゃんマジ!? すげえ!」

「あんなに成績悪かったくるみちゃんが…」



机を囲むようにしてみんなあたしの答案を見る。



うわっなんかこれ気持ちいい…。



頭悪くてチヤホヤされたときの100倍良い気分…。



他のテストの結果も全部すごく上がってる。



頑張りが目に見えて嬉しい。



そして、一番苦手な日本史…。



恐る恐る開くと、67点。



前回が13点だったからかなり上がってる!!



「くるみちゃん日本史苦手だったよね!?」

「うん、恥ずかしいけど…」

「くるみちゃん天才~!」

「そ、そんなことないよ…。奏くんが教えるの上手くって…」



でも、あたしやっぱ天才かも…。



まじで嬉しい…。



なんだか、自分のことが誇らしい気分。



早く奏に知らせたい!



直接言いたくて、まだ連絡はしてない。



帰りのホームルームが終わって奏の教室に急いだ。



ホームルーム、今日ちょっと長かったけど奏まだいるかな…。



いますようにと願いながら、奏の教室に入るとみんなあたしのことを見る。



「あれっ、くるみちゃん? 王子、もう帰ったよ? 連絡来てない?」



奏のクラスの子がそう言った。



間に合わなかった…。



かなりがっかり…。



「あっ、そうだった、用事があるから先帰るって言ってたの忘れちゃってた。へへ、恥ずかしい…」



適当なことを言って笑ってごまかす。



「くるみちゃんってばうっかり~!」



そう言うその子にはにかんで見せてから、奏の教室を後にした。



教室を出たらたまたま親衛隊の子たちと遭遇。