「この色、地毛?」

「うん、元々ちょっと色素薄い…」

「綺麗だな」



なんかすごい褒めてくるっ!!



ちょっと良い雰囲気…?



幸せかも…。



心が通じ合ってるみたいな、そんな感覚。



奏もあたしのこと好きになってくれたら良いな…。



でも、そうじゃなくても、なんだかこの時間だけで十分って思える。



好きなんだな…。



そしてようやく試験を終え、今日は結果が返ってくる日。



まずは数学だ。



「杉谷」



先生から名前を呼ばれ、ドキドキしながら前へ。



「今回すごい頑張ったね~」



ほんとに!?



やばい、嬉しい!



期待しちゃう…。



「えっ…本当ですか? わ、嬉しいな…」



忘れず猫をかぶって反応し、答案用紙を受け取った。



席に戻って、そっと用紙を開いた。



うそ!



点数は85点。



前回のあたしの点数はというと46点だった。



これはかなり…すごくない?



「くるみちゃんどうだった?」



隣の席のスズナちゃんがあたしに聞く。



やばい! 点数上がったときの返答スキル用意してなかった!



「えっ…? へへ…」



とりあえず曖昧に笑ったけど、完璧に答え方を間違った。



不思議そうな顔をしたスズナちゃんが、あたしの答案をのぞき込む。