奏が更に続けた。



「今更俺に隠すことあんの? っつか前の彼氏とほぼセフレ状態だったんだよな? なんで一緒に勉強?」



なんか口数多いし…。



まさか嫉妬…?



なわけないか…。



もうこれ以上聞かないで欲しい…。



あたしは話を逸らした。



「で、でも、奏って意外と紳士? だよね」

「は? なにが」

「部屋で2人きりでも襲ってこないじゃん。部屋で男女が2人ってそういうことするもんでしょ?」



って、あんまり話逸れてない!



頭がそういうモードになっちゃってるからだ。



あたしのバカ…。



「…お前のその感覚はなんなの?」



奏がちょっと真剣な顔で言う。



だって前の彼氏がそう言ってたから…。



その前に遊んでた人とかも…。



あたしがそう言ったら、奏がちょっと怒った。



「同意もないのにあり得ねえから。そんな奴らろくでもねえから信じんな」

「でもそういうもんじゃないの…?」

「そういうもんじゃねえよ。もっと自分のこと大事にしろ。大事にしてくれるやつを選べよ」



奏はあたしのために怒ってくれるんだ…。



あたしのこと大事にしてくれる奏のことを、あたしは好きなったんだよ…。



それから奏と試験勉強する日が続いた。



ほぼ毎日奏の家に行って勉強してる。



なんか勉強って楽しいかも…。



「点数伸びてきたな」



奏があたしの練習問題の答え合わせをしてそう言う。



「あたしもやればできるよね!?」

「ははっ、自信満々だな」



そう言って奏があたしの頭を軽く撫でた。



突然のことにドギマギしてしまう。



「髪ほそっ」

「…」



奏があたしの髪の毛に指を通す。



優しく頭撫でられてるみたいだ…。



心臓がドキドキしすぎておかしくなる…。