え~?



日本史なんてモロ覚える科目じゃん…。



「日本史とかって暗記科目じゃないから。ああいうのは歴史の流れを理解することで覚えんの」

「うーん…?」

「単語を覚えようとするんじゃなくて、どういうことが起きたからその結果こういう歴史になったっていうことをまず理解すんだよ」



うーん、分かったような、分からないような。



「くるみは頭悪いんじゃなくて勉強のやり方わかってないだけだろ。喋っててもお前のこと別に頭悪いとか思わねえし」



奏が言った。



えっ、それほんと…?



「つーわけで教えるから。はい、教科書開く!」

「はーい」



奏先生による日本史講義が始まった。



教科書に書いてあることをかみ砕いて歴史の流れを教えてくれる。



分かりやすいし面白いかも…。



ドラマ聞いてるみたいだ。



でも…。



「で、ここは…」



教科書を指し示す奏の腕があたしの肩に触れる。



な、なんか奏との距離が近いっ!!



やばい、なんかめちゃくちゃドキドキする…。



こんなのあたしじゃないんだけど!?



すぐに気が逸れるのをなんとか集中して、一段落ついた。



「お疲れ。ちょっと休むか」



ふ~…。



奏との距離が開く。



「あたし、人とこうやってまともに勉強したの初めて」

「まともじゃねえのはあったわけ? 誰と」

「前の彼氏とね。まあ色々と…」



エロ家庭教師ごっこさせられたとか言えない…。



奏には、他の人にバレたくないのとは違う意味でバレたくない!



なのに…。



「色々ってなんだよ」

「色々は色々…」



なんでそこ深掘るの!?