銀色の猫を浮かせた黒い吊るし看板。
黒いドアを開けて進み、もうひとつドアを開ける。
ナーザは部屋の中央のテーブルに肘を乗せ、ぼんやりと窓から差す午後の陽光を見つめていた。店のドアが開いたことにも気づかない風情で。
柔らかな金色の髪が光に縁取られて銀に輝く。
シルフィスは拳をつくり、開けたドアをコンコンとノックした。
「あ、いらっ──」
少年はあわててふり返りながら立ち上がり、ドアのそばに立つシルフィスを見て動作を止める。
シルフィスを見つめ、ゆっくりと笑んだ。
「──しゃい」
にしし、ではなかったけれど。
「お茶だけでもいいかな」
「全然。焼き菓子もつける?」
「そうだね。で、もし、時間があるようだったら、一緒にお茶を飲まないか。僕がおごるから」
軽く目を開いてから、ナーザは頷いた。
ふたつのカップと焼き菓子の皿がテーブルに置かれて、ナーザはシルフィスの向かいに座る。
黒いドアを開けて進み、もうひとつドアを開ける。
ナーザは部屋の中央のテーブルに肘を乗せ、ぼんやりと窓から差す午後の陽光を見つめていた。店のドアが開いたことにも気づかない風情で。
柔らかな金色の髪が光に縁取られて銀に輝く。
シルフィスは拳をつくり、開けたドアをコンコンとノックした。
「あ、いらっ──」
少年はあわててふり返りながら立ち上がり、ドアのそばに立つシルフィスを見て動作を止める。
シルフィスを見つめ、ゆっくりと笑んだ。
「──しゃい」
にしし、ではなかったけれど。
「お茶だけでもいいかな」
「全然。焼き菓子もつける?」
「そうだね。で、もし、時間があるようだったら、一緒にお茶を飲まないか。僕がおごるから」
軽く目を開いてから、ナーザは頷いた。
ふたつのカップと焼き菓子の皿がテーブルに置かれて、ナーザはシルフィスの向かいに座る。