やがて、リシュナが声を上げた。
「シルフィス!」
シルフィスはすぐさまリシュナのところに駆け寄った。
リシュナの浮かぶ真下に、魔法書のページと同じ図形があった。幾つかの正三角と円と魔法文字でできた図形だ。
「これで合ってる?」
「間違いない」
『黒白の書』と床を見比べ、ふたつの図形が完全に同じであることを確認してから、シルフィスは『止めたくなったときは』に続く文字を指でなぞって辿る。
と、シルフィスの顔に困惑の表情が浮かんだ。
「どうしたの」
シルフィスが文字の途中で指を止めたのを見て、リシュナが尋ねた。
「読めない文字があるの?」
「いや、そうじゃない……女の血を手に受けて、と書いてある」
「あたしの血でいいじゃない」
簡単に言ったリシュナを、シルフィスは驚いて見た。
「異形では、だめ?」
「いや……」
女性の顔を傷つけるのか。心が痛む。
が、ためらっている場合ではない。
「シルフィス!」
シルフィスはすぐさまリシュナのところに駆け寄った。
リシュナの浮かぶ真下に、魔法書のページと同じ図形があった。幾つかの正三角と円と魔法文字でできた図形だ。
「これで合ってる?」
「間違いない」
『黒白の書』と床を見比べ、ふたつの図形が完全に同じであることを確認してから、シルフィスは『止めたくなったときは』に続く文字を指でなぞって辿る。
と、シルフィスの顔に困惑の表情が浮かんだ。
「どうしたの」
シルフィスが文字の途中で指を止めたのを見て、リシュナが尋ねた。
「読めない文字があるの?」
「いや、そうじゃない……女の血を手に受けて、と書いてある」
「あたしの血でいいじゃない」
簡単に言ったリシュナを、シルフィスは驚いて見た。
「異形では、だめ?」
「いや……」
女性の顔を傷つけるのか。心が痛む。
が、ためらっている場合ではない。