「何…これ………」

季節はおそらく本来の世界と同じ初夏。

空はオレンジと紫の混ざった夕暮れ時に近い色。

その空の向こう側には大きな砂時計が浮かんでいる。

その大きさは計り知れたものではなく、土星が月の位置にあったら、と言う予想図で見た土星と同じくらいの大きさだ。

砂時計の中の砂はゆっくりと下の段へ落ちていく。

おそらく、この砂が全て落ちるとこの世界での1日が終わると言うことなのだろう。

そう、悠宇は直感で感じた。

まるで海の上に浮いているようなこの島…いや、"町"は元々あった場所から省かれたように見事に地がわれている。

時空が歪んでいるためか、本来なら海の底で泳いでいる魚たちが、今こうして触れられる位置にあり、空気中を当たり前のように泳いでいる。

……気持ち悪い。

この世界の光景が未だ受け入れられず、見慣れないからなのか、この場にいる誰もがそう思った。

ただ、吐き気がすると言うことではなく、夢の中にいるような、夢を見ているような不思議な浮遊感があるのだ。

何故、こんなことになったのだろうか。

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