映し出した映像は、女性の腰の部分だ。服を少し捲って、その部分だけ肌を露わにしている。

その部分が、問題だ。



「こ、これは……!」

「……これは、毒を受けた伽藍姫の身体です。伽藍姫本人の了承を得て、皆様の前に開示した次第で御座います」



服の裾からチラリと見える、きめ細やかな腰には。

痛々しく刻まれた、紫の閃光を僅かに放つ、消えかけた術陣だった。

私も初めて見る。これは……【被毒術式】の術陣!



「これは、【被毒術式】の術陣で御座います。これを映し取って図にしたものが、こちら」



弥勒様は、もう一度指を弾いて鳴らす。

腰に刻まれた術陣が平面図となって、空に大きく映し出された。

それに伴い、城内は一層ザワザワとする。

「これが【被毒術式】……?」

「しかしなんだ?あの展開図は?見たこともない……」



驚愕と疑念の混じった騒つきの中、とうとう、この公の場で弥勒様は断言したのであった。



「結果、伽藍姫の被毒は、毒物によるものではい。この術陣が放つ【被毒術式】によるものだと判断しました」