「私も・・・愛してる・・・」

最後に言えなかった言葉。

鉄平に言えなかった言葉。




「生きる。私は。そなたと共に生きる。だから、咲も生きることをあきらめるな。」

耳元でささやかれるその言葉に私は寄せては帰す波を思い出す。

あなたのいない世界で生きていく自信がなくて、私は逃げ出した。

”生きることをあきらめるな”

まるでもとの世界にいた私に向けて鉄平が言っているようで、私は涙が止まらなくなる。