「鉄も・・・体を・・・大切にして・・・」
「私か?私なら大丈夫だ。」
「大丈夫じゃない!」
思わずあげた声に、自分の胸が驚くほど痛んで、私は思わず苦痛に顔をゆがめた。

「咲っ!ダメだ。安静にしないと。落ち着くんだ。」
鉄平が私の体を抱きしめながら背中をさすってくれる。

「大丈夫なんて・・・ないから・・・だから・・気を付けて・・・・」
死なないで。
私のそばから離れないで。

「もう・・・離れるのは・・・嫌なの・・・」
泣き声になる私に鉄平は抱きしめる手に力を込める。

「わかった。気を付ける。」
「・・・お願い・・・どうか・・・無事に・・・」
「帰ってくる。咲のもとへ。必ず帰ってくる。」
その言葉に私は目を閉じる。