着替えていた部屋の扉があくとそこに鉄平が立っていてすぐに私の方に近づき、私の手をひいてくれる。

「少しでも食べられるように、好物を用意させたんだ。」
そう言って私をいつの間にか用意された立派な食卓に座らせる。

食卓から落ちそうになる食べ物の中には見覚えのある果物もある。
でも、見覚えのないものがほとんどだ。

食べられるだろうか・・・

結構偏食がちな私。

少し緊張しながら鉄平にすすめられて食事を始める。
「ほら、これ、好きだろう?」
鉄平が私の皿に次々に食材を入れていく。

食べる道具は銀の箸。
私は味を確かめるように、一口一口食べていく。