「あきらめないで、命にしがみつかないんだよ!」
怒鳴りながら私を強く強く抱きしめる鉄王。

私はうまく声がでない代わりに、鉄王の大きな背中に手をまわした。


少ししてあたりを見渡すと朝陽がのぼりはじめ辺りは少し明るくなり始めていた。

たくさんの兵や民たちがボロボロの格好のままで、高台にひしめきあっている。

「何があっても、どんなことがあっても、生きていればまた立ち上がれる。一人じゃないんだ。私たちは一人じゃない。」
私はふと自分のお腹に視線を移した。

まだふくらみのあるお腹。

さっきまで感じていた痛みが嘘のようにひいている。