「今、目の前にいるそなたを青している気持ちに変わりはない。強く心惹かれていることも事実だ。でも、不意に思う。」
「・・・?」
鉄王は遠くを見て小さく深呼吸をしながら言葉にする。

「今頃咲は泣いていないかと。苦しくなってはいないかと。」

私は何も言えなかった。


鉄平を失った時、私も同じことを考えていた。
同じように思っていた。

ずっと一緒にいた愛する人。
離れても、気になって、心配で、想う気持ちが私にはわかる。