想像と違った世界。
鉄平に運ばれながら少しだけ目を開けると見たことの無い景色が広がっている。

色鮮やかな世界。
建物も今まで見たことの無いような造りをしていて、明らかに日本ではない・・・。

私が来ている服も、やけに重い。
それは濡れているからではなく、明らかに今まで来ていた服とは造りが違う。

どちらかと言えば昔の韓服のような・・・襟元にも特徴がある。

想像と違う・・・全然違う・・・

「ここは・・どこなの・・・私・・・生きてるの・・・?」
目を閉じてつぶやく言葉に鉄平が立ち止まる。

「何を言ってるんだ。気をおかしくしたか?」
「・・・わからない・・・」
目を閉じたまま、死んだはずなのに涙さえ流れる。