私には結婚したい人がいる。今お付き合いしている彼氏だ。特別イケメンというわけでも、収入がとても多いわけでもない。でも彼とじゃないと結婚は考えられない。
「お付き合いしている方の名前は、橋本優(はしもとゆう)さんでしたね。営業部に所属していて、三葉さんと同期ですね」
彼氏がいるということはわかっていたんだ。じゃあ、一体どうして……。
「私は彼しか好きになりません。お引き取りください」
私がそう言うと、「なら彼は我々で身柄を拘束しなくてはなりませんね」と我妻さんが目をスッと細めて言う。私は「えっ?」と反射的に聞き返していた。
「身柄を拘束って逮捕するということですか?」
「そうなりますね」
「一体何の罪で?」
彼はとても人が良くて優しい。犯罪なんて無縁の人のはずだ。警察に逮捕されるようなことなんてないはず。
我妻さんは自分のスマホを取り出し、ある動画を見せてきた。それは、暗くなって誰もいないオフィスで彼がパソコンに向かって何かをしている様子が映し出されたもの。
「お付き合いしている方の名前は、橋本優(はしもとゆう)さんでしたね。営業部に所属していて、三葉さんと同期ですね」
彼氏がいるということはわかっていたんだ。じゃあ、一体どうして……。
「私は彼しか好きになりません。お引き取りください」
私がそう言うと、「なら彼は我々で身柄を拘束しなくてはなりませんね」と我妻さんが目をスッと細めて言う。私は「えっ?」と反射的に聞き返していた。
「身柄を拘束って逮捕するということですか?」
「そうなりますね」
「一体何の罪で?」
彼はとても人が良くて優しい。犯罪なんて無縁の人のはずだ。警察に逮捕されるようなことなんてないはず。
我妻さんは自分のスマホを取り出し、ある動画を見せてきた。それは、暗くなって誰もいないオフィスで彼がパソコンに向かって何かをしている様子が映し出されたもの。