「…あれはもうその場の雰囲気としか言いようがない…」

今考えてみてもあの雰囲気で始まらないはずがなかったと思うのだ。
もう事故みたいなものだ。

…あ、何か、自分で言ってて凹んできた…

「…拗れてるな…」

1人凹んでいる私には、真帆のその呟きは届かなかった。

「…で？明日明後日はどうすんの？」

「明日は昨年から恒例になりつつある、千葉先輩の家で美鈴先輩と千葉先輩とクリスマスパーティー。明後日はイチさんは会食があるみたいで遅くなるって」

「ふーん、デートじゃないんだ」

「…真帆はデート？」

「まあね」

「いいなぁ」

私は2年連続で彼氏のいないクリスマスを迎えようとしている。
彼氏としてじゃなくても、セフレとしてでいいからイチさんと一緒に過ごしたかったな。

…は！私はなんておこがましいことを…！