………へっ⁉︎

私の右側から声がして、その聞き慣れた声にはっとして思わず見やると、柳部長が廊下をこちらに向かって歩いて来ている所だった。

「…えっ、柳部長が…⁉︎」

「はい。緒原さんから俺たちがちょっとした知り合いだと聞いたでしょう?ご近所なんです。俺は飲んでいませんから、車でお送りしますよ。それなら千葉くんも安心でしょう。それとも千葉くんも乗って行きますか?」

柳部長はにっこり営業スマイルを千葉先輩に向けているけど、その笑顔にそこはかとなく威圧感みたいなものを感じるのは私だけだろうか…?

「…あ、いや、俺は大丈夫です。車なら安心ですね。緒原のこと、よろしくお願いします」

じゃ、緒原、また月曜に。そう言って千葉先輩は去って行った。

「柳部長…!ど、どうしてここに…⁉︎」

待ち合わせは地下駐車場のエレベーター前だったはずじゃ…

「…どこかでこの展開を予想していたから、かな」