そう言ってまたガハハと笑う。

「緒原ちょっとペース早くない?大丈夫?」

千葉先輩が心配そうに私を覗き込む。

確かに、モテモテのイチさんにヤキモキして、普段飲み会ではせいぜい2杯くらいしか飲まないのに今日はすでに4杯目だ。涙腺も緩くなってるし…

「ですね!ちょっと飲み過ぎました。お化粧室行って来ますね!」

そう言って私が席を離れたのと同時に笠原先輩が来て千葉先輩の腕に自分の腕を絡め、

「千葉くんもこっちおいでよ〜」

と先輩を誘う声が聞こえた。

イチさんというニューカマーの登場でやや霞んではしまったものの、千葉先輩も顔面偏差値はかなり高い。
こういう飲み会の場では女子たちが放っておかないのだ。

私は賑やかな笑い声の響く個室を出た。

お化粧室はレストランの中にはないので、同じ階にあるホテルのお化粧室まで行く。

ふぅー。
確かに顔が赤い。さっき半ベソかいたせいで目も赤い。洗面所の大きな鏡に映った自分の顔を見て溜息を吐く。