…くっ!顔面偏差値の高いイチさんが営業スマイルとは言え本気で微笑むとどうなるか。

答えは、即死、だ。
完全に射抜かれた。油断した…!
営業スマイルなのに…!

「…小夏、すぐ顔に出るから面白い。今朝も俺見た時、『何でイチさんがここに⁉︎イチさんの双子の兄弟⁉︎それとも他人の空似⁉︎』って思ってるのが丸分かりで笑い堪えるの大変だった」

「…え、それ、私の真似してます?全然似てないんですけど!」

イチさんが口元に手を当ててくくっと笑う。

むぅ、と膨れて言ってみるけど、脳内のパニックがモロバレしていたことの恥ずかしさが勝って何の迫力もない。

「…だって、あんな笑顔のイチさんと普段のイチさんが同一人物だなんて、すぐには信じられないじゃないですか…!それに仰る通り私分かりやす過ぎて、千葉先輩にイチさんと知り合いだって速攻でバレました」