あのイケメンとぶつかってから数週間。
駅に行ってもあのイケメンを見ることは無かった。

ーー昼休み

「はぁ」


「どうしたの、柚香」


「なんでもないよ」


「何でもなくないでしょ。そんなにため息ついてんだから」


うぅ・・・。
やっぱり奏のことは騙せなかったか。


「私に隠し事をするなんて100年早いよ。んで、どうしたの?」


喋るしかないか・・・。


「実は・・・」


私はあのイケメンが気になっていることを赤裸々に話した。


「ついに柚香も初恋かぁ」


「は、初恋!?」


「え、違うの?」


「ただ気になってるだけだよ。恋だなんて!!」

焦ってそう言うと、

奏は私を見て、
クスリと笑って、


「今度あの人に会えたらちゃんと自分の気持ち確認しなよ」


「う、うん」