ードンッ


横から鈍い衝撃が走る。
私はバランスを崩してしりもちをついた。


「痛っ」


「すみません。大丈夫ですか?」


「はい、大丈夫です」


顔を上げると目線の先には、
ぶつかった男性が差し伸べてくれたであろう手と、
その奥にはとても整った顔。

私はイケメンとかに興味はないけど、
一瞬でイケメンだと思った。

「もしかして立てませんか?」


「っ!!立てますっ!」


ボーッとしてたのも束の間。
すぐに目の前にある手をとり、立ち上がった。


「あっ、ありがとうございます」


「いいえ。気をつけてくださいね」


そう言って彼は歩き出した。
高鳴った胸が止まらない。