「サード!!」


保田の確信に満ちた声。

サードはゴロを拾うと、ショートに投げて。


「アウト!チェンジ!!」


聞こえた審判の声。


「‥っはぁ!」


と同時に、
ようやく息ができるようになった気がした。


「‥はあっ、はっ。」



これで、やっと‥終わった。
俺の戦いは。




「‥斗蒼、お疲れ。」

「ほ、だ。‥ありがとな。」

「‥っ、あぁ。」


なんだか泣きそうな顔で微笑んだ保田。


俺の肩を抱く手は、小刻みに震えていて、
目にはうっすらと涙が浮かんでいる。


「おい、保田。どうし「保田先輩!次です!!」


後輩の声に一瞬俯いた保田は、

「おーよ!今行く!!」


なんでもなかった顔をして、
走っていってしまった。