「てめぇを灯里の近くに置いて行けるか」

 そう言うと、陸斗は杉沢さんを引きずる様に連れて行ってしまった。

 まあ、杉沢さんが居ても居なくても相手は出来ないんだけどね。


 そんなやり取りを見終わる頃にはあたしも準備を終えたので次の人のメイクを始めた。


 午前中は比較的学校の生徒が多かった。

 このクラスの子達のメイクを見て興味を持った人達。

 あとはクラスメイトの保護者達がチラホラ。

 あ、杉沢さんとか例外もいたけれど。


 それでもお昼休憩は必要だったし、多分休憩が終わるとあとは最後までメイクする事になるだろうって事で、お昼休憩は多めに時間を取ってもらえた。

 おかげで陸斗と一緒に文化祭を回れる。


 そういうところ、気を使ってもらって悪いなと思ったんだけれど、一番大変なのはあたしだろうからって言ってもらえたので感謝しかない。

 しかも案の定杉沢さんが邪魔しようとあたし達について来たんだけれど……。