屋台が立ち並ぶ商店街を突き抜け、先へ先へと進んでいく陸斗。

 人ごみを潜り抜け、神社のある方へと進んでいく。

 足の長さが違うので小走りになってしまう。
 慣れない下駄のせいで小走りでも息が切れた。


「り、くとっ! ま、まって……」

 人が少ない場所まで来たためか、何度目かの呼びかけがやっと届いたらしい。

 足を止めた陸斗は振り返ってあたしを見た。


 掴まれていない方の手を膝に置き、肩を上下させて息を整える。

 それを見た陸斗は「悪い」と呟いて近くにあった石段に腰を下ろした。

 目の辺りを覆って大きなため息を吐く。


「……ねえ、一体どうしたの? 何かあった?」

 ある程度息を整えたあたしは、陸斗の前にしゃがんでそう聞いた。

 怒っている……わけではなさそうだけれど……。


 心配するあたしに、陸斗は「お前の所為だよ」と話す。